教会・聖地訪問

気ままに教会を巡りながら出会いを楽しむ

The Miso! 世界に誇る健康食「八丁味噌」

徳川家康公生誕の地、岡崎城から西へ八丁(870m)進んだ所にある八帖町
八丁味噌の八丁はこの地名にちなんだものです。
(漢字は違いますが読みは同じ。)

旧東海道を挟んで、南にまるや、北に角久(カクキュー)の味噌蔵が仲良く並んでます。

旧東海道京都方面を望む

いわゆる、赤だしと混同されるのですが「八丁味噌」というブランドは世界でもこの通りを挟んだ2社のみが許されている登録商標です。

(今はGI登録問題などややこしい事が起きてはいますが。)

八丁味噌は昔ながらの製法で、大豆、塩、水のみで作られる豆味噌です。
いわゆる名古屋メシ文化に欠かす事の出来ない赤みその代表的な銘柄です。

 

まずはまるやから。
延元2年(1337年)、開祖 弥治右ェ門によって創業。
相当な歴史ですね。


1560年の桶狭間の戦いにおいて、徳川軍が「戦陣にぎり」と称し、兵食として用いられた記録があるようです。

大きな木桶に石を均等に三角すいに積んでいます。
今でも職人による手作業だそうで大きな積み石は70kgもあります。

石は近くを流れる矢作川の上流から取ってきた天然石で、顔(石の形)とサイズを上手に組み合わせると地震が来ても倒壊しない座りの良さになるとの事。
みそおけ1本で3トンにもなる積み石が、今まで崩れた事は無いそうです。
(もちろん接着剤やモルタルで固めるとかはナシです。自然に積んでいるだけです。匠の技!)

蔵內に井戸があります。
まるや八丁味噌に伝わる、日吉丸「石投の井戸」です。
(日吉丸とは豊臣秀吉の幼名ですね。)


日吉丸は奉公先でトラブって辞めたはいいが実家にも戻れず、この八丁味噌蔵周辺の矢作橋で、蜂須賀小六と出会います。
(史実的にはウソらしいですが、矢作橋には秀吉と小六出会いの像もあります。)

味噌蔵に勝手に入り込んで盗み食いをしている所を蔵男に見つかり、逃げ回った挙句、機転を効かせて石を井戸に投げ込み、井戸に落ちたと錯覚させて窮地を脱した。
そういうエピソードで、井戸の名前が付いたそうです。

よく声の通るガイドさんの案内で一通り見学が終わった後、コンニャクの味噌田楽をいただきました。

 

続いてカクキューに行ってみましょう。

カクキュー八丁味噌の郷
合資会社八丁味噌(屋号カクキュー)
創業 正保2年(1645年)

八丁味噌本社事務所
登録有形文化財(1996年12月)
設計 三原好太郎氏

 

こちらのカクキューは、創業はお隣のまるやより新しい(それでも350年以上前!)ですが、建物の雰囲気もいい感じで、資料館などもあり見応えのある見学が出来ました。

現在の当主は第19代 早川久右衛門さんとおっしゃる方で、当家では当主は代々「早川 久右衛門」を襲名するそうです。(歌舞伎役者みたいですね。)

6尺桶に、キレイな三角すいの石積みは八丁味噌伝統の工法で見事なものでした。

資料館(大蔵)は、昔ながらの味噌作りの様子や、明治~昭和にかけてのレトロなパッケージが展示されてました。

国鉄岡崎駅掲示されていた宣伝広告


矢作橋での藤吉郎(秀吉)と蜂須賀小六との出会いが描かれてます。

宮内省御用達の大看板


丁ではなく省だったんですね。
明治期に御用達の認可が下りたそうですが今は廃止されており、ちゃんとお金をもらって、ご用命をいただいております。
とガイドさんが言ってました。

見学終了時にいただいた、八丁味噌汁と味噌パウダー。(決してコーヒーではありません、激似。)

 

続いて、今も現役の企業本社の顔を持つ、国登録有形文化財 愛知県第1号のカクキュー本社屋を見学です。
ちなみに第2号もこちらの資料館(大蔵)です。

大蔵

大正末期から建て始め昭和2年完成のこの建物。
現当主 19代早川久右衛門氏の祖父の手によるものです。
建築にまつわるエピソード。
関東大震災(大正12年)の時、ここ三河でも相当に揺れたようで、当時まだ子供だった早川氏の父が驚いて箸と茶碗を持ったまま外へ飛び出したそうです。


どんな地震にもビクともしない建物をという事で、頑丈でモダンな教会風の本社屋の完成の運びとなりました。

洋行(おそらく)した、意気軒昂な建築家が随所に意匠を凝らした建物内は、今もほとんど当時そのままの所が多く残されてます。

9つの菱形が並ぶ意匠
四角が9つでカクキュー。洒落てますね。

ヤマハのオルガン
3つの音叉のマークがありません。かなり古い年式のもののようです。

中庭
京都の町屋のようであり、回廊に囲まれたパティオのようであり、空間の使い方が粋ですね。

天下一品の書
日本の博物館の父と称された、田中芳男氏によるもの。八丁味噌を賞賛し明治43年に当社に寄贈された。

文化財の社屋にコピー機やパソコン。(若干のミスマッチ感?)
維持、保存には大変な手間と労力がかかるのでしょうが、とても大事に使われています。
八丁味噌の品質、伝統を守るこだわりがこの社屋からも感じられました。

最後まで、読んで下さりありがとうございました。

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