教会・聖地訪問

気ままに教会を巡りながら出会いを楽しむ

カトリック京都司教区ザビエル大聖堂

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教会・聖地訪問№230

2022年12月17日訪問

 

こちらへ訪問した時、教会の正面はホテル建設工事が行われていました。
そのため工事現場のシートに隠されて、河原町教会HPで見たようなファサードは拝めませんでした。
新たに建設される京都ヒルトンホテルが完成したら、正面ファサードは完全に見えなくなるんだろうな。

 

こちらの教会は京都司教区のカテドラル(司教座)で、1967年(昭和42年)スイス人司祭カール・フロイラーの設計で竣工されました。
前身の聖ザビエル天主堂は現在移築され、明治村(愛知県犬山市)で見る事が出来ます。

 

この斬新なモダニズム建築のカテドラルですが、モチーフは日本古来の伝統美との融合です。

 

 



屋根のフォルムは神社の屋根を模していたり、ステンドグラスは緑・紫を基調とした日本の豊かな植物・水・光を表現しており、その中には日本の守護天使聖ミカエルまで登場します。

 

聖堂へ入ってみたら、なんと後列5列目までしか解放していません。
そこから先、祭壇までは立ち入り禁止となってました。
まあ、しょうがない。大聖堂が開いていただけでも良しとしよう。
大人しく後列で祈る事にしました。

夜のミサの準備をする教会員さんがいたので、写真撮影のお願いをした所
「どうぞ、前の方に来てもいいですよ。」
なんという僥倖。
立ち入り禁止の鎖が解放されました。
解き放たれた私が、祭壇に歩み始めると同時に、照明が灯り始めました。
(嬉しすぎる。なんて粋な計らい。)

ひとしきり写真を撮って(やっぱりほぼ祈ってない?)お礼を言って帰ろうとしたら、
「都の聖母ってご存知?」
と1枚のプリントをくれました。
(ふ~ん、知らんけど。)
「よろしければ、小聖堂もご案内しますが。」
行く行く、行きますとも!

 



地下小聖堂へ。
そこには何の変哲もない、黒光りしたマリア様像が安置されていました。

都の聖母像について
フランスのロバン神父はかねてから、日本の殉教史について深い関心と感動を寄せていました。
フランシスコ・ザビエルが、聖母に奉献した聖堂を京都に建てたいと望んでいた事を知り、1864年ローマで6体のブロンズのマリア像を鋳造させました。
1865年、時の教皇ピオ9世によって祝別されたそのうちの1体が、翌年横浜に届けられました。
しかし、1866年(慶応2年)は幕末動乱期。
禁教下の京都へマリア像が届けられるには、1873年(明治6年)まで時を待たねばなりませんでした。
やっとの事で念願の京都の地を訪れたマリア像は、東山将軍塚に埋められました。
その後、掘り出されたマリア像は1890年(明治23年)の河原町教会(聖ザビエル天主堂)の献堂式の時からず~と、こちらに大切に保管されています。

う~ん。このマリア様は政局の中心であり、血生臭い幕末動乱期の京都を明治維新から今日までずっと見て、数多の宣教師、切支丹信徒へご加護を下さっていたんだな。
粗末で小さな(もっと言えば黒くて薄汚れたような?)マリア様に後光が差しているのを見る思いでした。